伝統的な美しさで情緒ある雰囲気を漂わせる和庭。大きな敷地がなければ日本庭園を自宅に作ることはできないとお考えですか?いいえ、大丈夫。無駄を削ぎ落とし「見立て」で世界観を形成する日本庭園は自宅の小さなスペースにも作ることができるんです。今回は、そんな素敵な日本庭園の画像を紹介しながら、和風庭園を自作できる作り方を紹介していきます。
まず和風庭園を自作する前に、日本庭園として自宅で使用可能な外部エリアを計測しましょう。敷地の隅の一角しか使えないという場合も大丈夫。区切られた限定的なスペースでも十分に庭は造ることができます。建物の周囲が車を駐車するスペース、自転車を置くスペース、エントランス通路… というように他の用途で塞がっているのなら、和風庭園の作り方の一つ箱庭風デザインを選んで、小さく区切った方が利便性と装飾性を両立できます。
こちらの日本庭園の画像は、正方形の開口部の先に広がる和庭が印象的。こちらは、澤村昌彦建築設計事務所が手がけたものです。
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日本庭園の自宅スペースが決ったら、砂利を敷き詰めます。一口に砂利と言っても様々なサイズや色があります。迷ったら、和風庭園の作り方の中でも代表的な様式である枯山水を意識して白っぽい砂利を選ぶと本格的な見た目になりますよ。華やかな雰囲気にしたいなら五色の玉砂利をミックスした五色砂利がおすすめ。自由な見立てで和風庭園の自作を楽しんでみましょう。
こちらの日本庭園の画像は、和泉官兵衛建築デザインの手がけたものです。
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小さな日本庭園の自宅スペースには、細身のすっきりした立ち姿の庭木がおすすめです。細い幹や密集し過ぎていない枝葉の抜け感によりスペースの狭さを感じさせないと同時に、侘び寂びの雰囲気も作ることができます。庭木を配置できるスペースが無かったり、地面を掘り起こせない場合は台座を用意して盆栽を置きましょう。
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全体のバランスを確認しながら踏み石を配置していきます。散策できる広さがあるのなら動線を導くように、小さなスペースしかなく、歩き回らないことが前提でも小振りな踏み石をいくつか配置しましょう。その後まだスペースに余裕があれば大小の岩を配置します。立体感と奥行きを表現できますよ。
こちらの日本庭園の画像は、江夏庭苑事務所が手がけたものです。
日本庭園をを自宅につくるなら、より本格的な雰囲気をつくる灯籠を配置してみましょう。灯篭は一つあるだけで印象が大きく変わるので是非取り入れたいもの。空洞部分に照明を仕込めば屋外用照明として機能するので、夜間の庭を効果的にライトアップできます。キャンドルであればより幻想的な雰囲気に。敷地の入り口や玄関前に配置するのもおすすめです。
和風庭園の自作でチャンレンジしたいのは、やはり苔です!苔は湿度の高い日本の気候だからこそ育つユニークで魅力的な植物。長い時を経たような独特の雰囲気を演出するため、先ほどの踏み石や岩、灯籠などに苔を配置しましょう。苔庭の佇まいは、時間の経過と落ち着いた上品な雰囲気を作るのに最適です。
庭と建物の中間くらいの位置に手水鉢を配置しましょう。手水鉢とは元来、神社や寺に入る前に身を清めるための水がたたえられた器でしたが、茶道に取り入れられたのちに露地や庭でも使われるようになったもの。建物の前部に配置する前庭やエントランスポーチに日本庭園を造るなら、ぜひこの手水鉢を配置してみて下さい。格式を感じさせる雰囲気となりますよ!
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ロックガーデンの力強さと静かな佇まいを自宅につくるのはどうでしょう?ロックガーデンとは岩石や植物を配置した庭で、岩石園とも呼ばれます。かつてあった巨石の数々、その土地の記憶や河の流れをイメージするような和庭の眺めを作ることができます。ごつごつした石や大小様々な石、岩の間に植物などを植え自然な雰囲気を演出してみましょう。
こちらの日本庭園の画像は、NASU CLUBが手がけたものです。
日本家屋と和庭は、内と外の関係が近いのが特徴です。日本の住まいは家の障子を開け放ち、こちらは手入れの行き届いた日本庭園を十分楽しめるテラスのある住まい。ライトアップした庭園を眺めながらのバーベキューやテラスでのひと時が楽しめるデザインになっています。和庭をつくるなら、こうした居住空間との繋がりも意識したいですね。