部屋は直線的で四角いもの、という固定概念は誰しもが持っていることでしょう。しかし空間デザインに曲線を取り入れるとそこに新たな効果が生まれるのです。… それは空間の広がり!伸びやかなラインはカーブしたその先がどこまでも続くかのように感じさせ、限りある室内面積に広がりを与えます。
今回は曲線デザインが特徴的な部屋を五つ紹介します。早速見ていきましょう!
藤原・室 建築設計事務所によるこちらの住宅は内外をつなぐ曲線デザインが特徴的です。この写真では庭の様子は見ることができませんが円形モチーフは外部まで続いており、庭からインテリアまで巨大な円を重ねて構成したようなデザインとなっています。曲線は構造だけでなく床材の変化によっても表現されています。大きな円環は人との縁や輪廻なども想起させるイメージ。ユニークでおもしろいデザイン、という印象以上のものを感じざるを得ません。
神戸の山の手に位置するこちらの住宅は室内から海を眺めることができるという贅沢な環境!より良い眺めを確保するためにLDKを二階に配置、開口のある壁面を曲線にすることでワイドな視界を手に入れました。また、インテリアには珪藻土や無垢材を使用しているので、ソフトな見た目だけでなく人体にも優しく心地よい室内空間となっています。
続いては豊田空間デザイン室 一級建築士事務所による、地中海をイメージした大型住宅です。壁際には直線的なI型キッチンを配置、右手に位置する曲線の壁の内側はパントリーとなっています。空間に変化と広がりが生まれるだけでなく、向こう側はどうなっているのだろう?と興味を抱かせる遊び心も感じます。豊かな風合いの木材がリッチな大人の印象を醸し出しています。
壁を曲線にするのが難しい場合やアクセント的に曲線を取り入れたい場合は、こちらのように天井に取り入れるのがおすすめです。空間が柔らかく包容力のある印象となり、またオープンプランの場合は部分的に曲線を配することでゾーニング効果も生まれます。こちらの部屋の場合は木材の天井側がダイニング、曲線側がリビングとなっており、曲線デザインと天井高の違いによって仕切り無しでもしっかりゾーニングされていることが分かります。
撮影 岡本 公二