世代の異なる家族を包み込む家

Michiko JUTO Michiko JUTO
t邸 - 包み込む -, Ju Design 建築設計室 Ju Design 建築設計室 Case moderne
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「包み込む」というタイトルがついたこの2世帯住宅は、世代の異なる家族が程よい距離感を保ちながらお互いを感じられるような空間からなる家族の生活を包み込んでくれるような家として生まれました。JU DESIGN 建築設計室が手がけた温かみのある形態や仕上げが魅力的な住まい、さっそく見てみましょう。

穏やかな表情を持つ外観

緩やか傾斜を描く切妻屋根が反復したファサードがやさしく出迎えてくれるこの住宅は、近隣の既存住宅と同様に道路からセットバックした位置に配置することで、街並みに対してゆったりとした外部空間を確保し、穏やかな佇まいを見せています。駐車スペースと並んだシンプルな外構で彩られるアプローチが玄関へと続きます。「三角屋根の可愛いおうち」も2つの三角屋根の外観が目を引く住まいで、玄関廻りに工夫を凝らしています。是非ご覧ください。

機能的かつ雰囲気のある玄関ポーチ

階段を数段上がると屋根のある玄関ポーチ。張り出した軒先が奥行きを感じさせます。一見中途半端に見える左手の手摺の付いた壁。ポーチには雨の日でも濡れないように屋根を設けることはよくありますが、ここではさらに壁にひと工夫することで雨を凌ぐだけでなく風を逃がすことまで考慮されているんです。外観にも軽さが加わり意匠的にも際立つものが感じられますよね。ライトアップによって外壁のナチュラルな質感を浮き立たせ、街路を柔らかな光で照らします。

奥行きを感じさせる間取り

木板を貼った傾斜天井が玄関ポーチからそのまま続く玄関内部。さりげなく設けた式台やベンチは靴の脱ぎ履きに便利ですよね。幅を広めに確保したゆったりとした廊下から凹凸によってメリハリを持たせた空間が奥まで伸び、窓から視線が抜ける開放感のあるプランが、家族の距離感や連帯感みたいなものをうまく作り出してくれそうです。

天井で繋がる異なる空間

玄関隣の居室は天井と壁の間に開口を設け、プライバシーに配慮しながら採光を上手に取り入れています。一部木張りの天井になった部分はそのままm外部の軒天まで続き、融合する内外空間と広がりを演出。さらに玄関ホールの天井も欄間を越して入り込み、和モダンな落ち着きを見せながらも空間がお互いにインタラクティブな関係にある変化に富んだ雰囲気を醸し出しています。

欄間を取り入れてみる

玄関ホールの廊下を進むと2階へ続く階段があります。細めのスチールの手摺がアクセントとなった階段は上部の吹抜けを介して注ぎ込む日射しによって明るい空間になっており、光だけでなくお互いの気配も伝える役割をする開閉式の欄間を居室との間に設置。ブラックチェリーの無垢のフローリングとは異なる若干明るめの木の素材が軽さや変化を添えています。

自然素材で仕上げたLDK

さらに進むと家族皆が集まるLDKが広がります。木をふんだんに使ったインテリアは経年変化を楽しめ、温もりのある心地良い住空間を作り上げています。木目の美しい木の素材、調湿性に優れた和紙クロスや漆喰で仕上げた内部空間はまさに家族を包みこんでくれるような優しさを醸し出しています。この住宅ではほとんどの家具や建具を造作で設えており、住み手にとって使いやすく居心地の良い住まいになっています。コーナーに設けた収納を兼ねたベンチもその一つ。障子のような引き戸も和の雰囲気を持ちながらも現代のライフスタイルにも合うオリジナリティのあるデザインを採用しています。

楽しい仕掛けのある豊かな住まい

2階に配置されたこの居室はセカンドリビングとして使える空間で階段の吹抜けと大きな開口を介して緩やかに繋がります。実はこの造り付けのテーブルは畳んで収納することもでき、さらに開口を塞いでより独立性を持たせることも可能なんです。控えめな佇まいとほっこりするようなインテリアからは想像つかない大胆で遊び心のある機能的な仕掛けが散りばめられた住まい、是非皆さんの家づくりの参考にしてくださいね。

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