階段は2階以上の家であれば必ず必要となる、家をプランニングしていく上でとても大切な1つの要素です。その形やデザインにも様々なタイプがあり、それぞれに機能面やデザイン面で異なる良さがあります。そこで今回は、階段の主な種類とそれぞれのメリットなどを実例とともに紹介していきたいと思います。また、その種類やデザインによって周りの部屋の快適性や使い方にも影響してくるので、そうした面にも注目していきましょう。
この形を見たことがある方は多いと思いますが、階段を螺旋(らせん)状に回転しながら上り下りしていく形になるのが「らせん階段」と呼ばれるものです。他のものに比べて特徴的な見た目となるため、こちらの住まいのようにリビングから見える場所に設置して、おしゃれなインテリアを演出することもできます。また、そのすっきりとしたフォルムから、外からの光を遮ることなく、明るい室内とすることもできます。場合によっては、他の階段よりも小さいスペースで収まることもあるので、取り入れてみたい方はその点も建築家とよく相談してみて下さい。
曲がったり折れたりすることなく、その名の通り真っ直ぐ上り下りすることになるのが「直階段」になります。そのシンプルな形から、小さなスペースにも収まりますし、あまりコストをかけずに設置することも可能です。最近では、シンプルな形をさらに削ぎ落として、こちらの住まいのように壁で踏み板を支えるような、とてもミニマルな階段も人気の1つの形となっています。
階段が途中で折れ曲がり、L字に上り下りするタイプが「かね折れ階段」と呼ばれるものです。先程の直階段は、ある程度の長さが必要となるため、部屋になかなか収まりきらないこともありますが、そんな時でも、このタイプの階段であれば、壁に沿ってうまくコンパクトに収めることができます。壁に合わせて一度折れ曲がることから、万が一転倒した場合、一番下まで落ちてしまうことがないので、安心感のある階段でもあります。
写真:DIMPLE architects
先程のかね折れ階段をさらにもう一度折り曲げてU字に上り下りするタイプが「折り返し階段」となります。これも万が一の転倒で下まで落ちてしまわないので、安全で安心感のある階段の1つです。周囲を壁に囲まれる場合が多い種類ですので、こちらの住まいでは、その壁をシナ合板でそのまま仕上げて、自由に飾りや棚などを造作しながら、ギャラリースペースとしてこの空間を演出できるように工夫されています。
写真:東涌 宏和
上り下りの形の種類は主に上記の4つになりますが、機能性やデザイン性に大きく左右する2つの種類もここで取り上げておきたいと思います。その1つが、踏み板と蹴込み板で箱のように階段裏が覆われる「箱型階段」です。このタイプのメリットは、階段裏のスペースを収納として利用することができたり、あるいはトイレとしても有効利用することができる点です。裏側は隠れてしまうので、比較的造りやすいタイプでもあることから、コスト面でも有利となる魅力を持っています。
もう1つが、先程とは対称的に階段裏のスペースが開かれた形の「オープン階段」です。この種類の良さは、軽快な見た目となることから、リビングに設置できるような、インテリアをおしゃれにしてくれる1つのアイテムとなってくれることです。こちらの住まいのように、鉄骨で造ることでより細く軽い印象となりますし、その分光を遮る量も減ることで明るい室内にもしてくれます。階段下のスペースには観賞用の植物を置くなどすれば、より部屋の印象をおしゃれにすることができるでしょう。
【住まいのマテリアルの種類と特徴については、こちらの記事でも紹介しています】
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