Before & after プロジェクト :文化財に登録された歴史的な建物のリノベーション

Kiohde Hayai Kiohde Hayai
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リノベーション前後の写真を比べて、その変化の様子を紹介する「Before & after プロジェクト」。今回はドイツで行なわれたリノベーションを紹介したい。その対象となったのは、ドイツ西部フランクフルト近郊の町にある建物。それは18世紀にさかのぼる歴史を持ち、現在では文化財として保護されている。このような建物のリノベーションを行ったのは、建築事務所「Architecture and Space Communications」のAnja Thede。リノベーションされた建物はその歴史を残しつつ、現代的な空間へと生まれ変わった。

工場として使われていた建物

残された記録によれば、建物は最初に製革工場として使われていたという。19世紀に製粉工場として転用され、20世紀初頭からはレストランとして利用された。現在では歴史的な価値から文化財として登録されている。そんな建物は大きく、幾つかの納屋や小屋などが付属している。今回は中心となる建物が整備され、以前に製粉施設として使用されていた箇所が注意深く補修されることになった。

Before: 歴史を感じさせない雑然とした空間

建物の以前の状態は雑然としていた。住める状態にあったが、建物の特徴となるその歴史は全く感じられない。内部の空間を見ると、とても文化財に登録されているものとは思えない雰囲気を醸し出していた。

After:歴史を留める外観

建物に住むのは4世代の家族。そこには家族だけでなく友人たちが訪れても余裕のある空間が用意されている。3階建ての建物にはスタジオ、住居空間、そして3つのベッドルームがある。文化財に登録されていることもあり、外観に大きな変化はなく、以前の歴史的な雰囲気が留められている。

After: 現在と過去が出会うベッドルーム

家の中に広がるのは現在と過去が混ざり合う美しい空間。空間そのものは現代的なものに改装されてシンプルなものとなっている。そんな空間を引き立てるのは元々建物にあった梁や壁。巨大な木の梁は建物の歴史や力強さを感じさせる。煉瓦の壁は不揃いの形でシンプルな空間に素晴らしいアクセントを加えている。

After: 建物の歴史を伝える古い建築構造

建物の中心にあるのは工場として使われたことを物語る構造物。巨大な滑車とそれを支える構造が、ここが産業用の場所であったことを伝える。このような古いものが残されている空間だが、古臭さを感じることはない。巨大なガラス窓は暖かな光を建物内に導く。丁寧に補修された空間に広がる白い壁は清潔感を感じさせ、歴史的な空間を心地良いものにしている。

After: 明るく心地良い子供部屋

屋根裏部分にあるのは子供部屋。他の部屋同様、ここでも過去と現代が一体化した美しい空間を生み出している。屋根に取り付けられた天窓が、本来であれば薄暗いはずの屋根裏を明るく照らし出す。そんな空間は子供たちが健康的に過ごすにはぴったりの場所だろう。

建物の歴史を活かしたリノベーション

今回リノベーションで生み出されたのは、建物の歴史を活かした空間。建物をただ現代化するだけでなく、その歴史を伝えるものを上手く活用している。そのため清潔で明るいにも関わらず、建物が持つ歴史を感じることができる。このように本住宅は新築の建物では出せないような素晴らしい雰囲気を持ち、古い建物を現代化するリノベーションならではの成果を見せている。

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